けいこくの森動物病院
TEL 03-3704-1014

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〒158-0082 東京都世田谷区等々力1-34-18

けいこくの森動物病院

チワワの歯のトラブルについて

こんにちは!

世田谷区等々力、けいこくの森動物病院です。

今回はチワワに起こりやすい歯のトラブルについて紹介します。

フリー素材 チワワ に対する画像結果

 

はじめに

チワワはその愛らしい外見と人懐っこい性格で多くの家庭で飼育されています。

しかし、小型犬種であるチワワは歯科疾患にかかりやすいという一面もあります。

今回は、チワワの歯科疾患について、その原因、予防法、治療法をご紹介します。

 

乳歯遺残

乳歯遺残とは、成犬の永久歯が生えてきた後も乳歯が抜けずに残っている状態を指します。

通常、犬の乳歯は生後4〜6ヶ月の間に永久歯に置き換わりますが、乳歯が抜けずに残ってしまうことがあります。

これが乳歯遺残です。

 

原因

チワワを含む小型犬種では、遺伝的要因が乳歯遺残の一因とされています。

親犬から子犬に遺伝する可能性が高いため、親犬に乳歯遺残が見られる場合は注意が必要です。

 

    影響

    ◎歯並び・噛み合わせの不良

    乳歯が残ったままだと、永久歯が正常な位置に生えることができず、歯並びが悪くなる原因となります。

    ◎歯周病のリスク増加

    乳歯と永久歯が重なることで、歯の隙間に食べ物のカスや歯垢が溜まりやすくなります。

    これが原因で歯周病が発生しやすくなり、口腔内の健康が損なわれます。

     

    対処法

    生後3〜4ヶ月以降は、定期的に愛犬の口腔内をチェックすることが重要です。

    乳歯が抜けずに残っているかどうかを確認し、異常が見られる場合は早めに病院に相談しましょう。

    乳歯遺残が確認された場合は歯並びが悪くなる前に抜歯が推奨されます。

    抜歯は全身麻酔下で行われることが一般的で、当院では不妊手術と乳歯抜歯を同じタイミングで行うことが多いです。

     

     

    埋伏歯

    埋伏歯とは、歯が正常な位置に萌出せず、顎骨内や歯肉内に埋もれたままの状態を指します。

    この状態を放置するとさらなる口腔内問題を引き起こす可能性があります。

    特にチワワでは遺伝的に伏歯の発生リスクが高くなります。

     

    症状

    埋伏歯は無症状のことが多く、日常生活では気づきにくいです。

    埋伏歯によって後述の含歯性嚢胞ができると症状が出てきます。

     

     

    原因

    埋伏歯の原因は多岐にわたりますが、主な要因として以下のものがあります。

    ◎遺伝的要因
    一部の犬種や血統は遺伝的に埋伏歯のリスクが高いことがあります。特にチワワはその小さな顎のため、埋伏歯が発生しやすい犬種です。

    ◎歯の発育異常
    歯の発育過程で異常が発生することがあり、これが原因で埋伏歯が形成されることがあります。

    ◎外傷
    顎や歯に対する外傷が原因で、歯の萌出が妨げられることがあります。

     

    治療法

    埋伏歯の治療として主に抜歯を行います。

    本院では歯科用のレントゲンで埋伏歯の状態を確認し、抜歯を行っています。

     

     

    含歯性嚢胞

    含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)は、歯の周囲に発生する液体で満たされた袋状の構造物です。

    この嚢胞は、歯の発育や萌出(はえかわり)の過程で問題が発生した場合に形成されることがあります。

    チワワでは埋伏歯によって含歯性嚢胞の発生リスクが高まります。

     

    症状

    含歯性嚢胞の症状は、初期段階ではほとんど見られないことがあります。

    しかし、嚢胞が成長すると、以下のような症状が現れることがあります.

    ◎顔の腫れ

    顔や顎の一部が腫れることがあります。これは嚢胞が大きくなり、周囲の組織に圧力をかけるためです。

    ◎痛みや不快感

    嚢胞が大きくなると、痛みや不快感を引き起こすことがあります。

    愛犬が口元を気にする仕草や、触れられることを嫌がることが増えるかもしれません。

    ◎食欲不振
    嚢胞による痛みや不快感が原因で、食欲が低下することがあります。

    特に硬い食べ物を避けるようになるかもしれません。

    ◎口腔内の異常

    嚢胞が破裂すると、口腔内に液体が流れ出ることがあります。

    また、口の中に異常な隆起や腫れが見られることもあります。

    ◎歯の移動や抜け落ち

    嚢胞の圧力によって歯が移動したり、最悪の場合、抜け落ちることがあります。

     

    原因

    含歯性嚢胞の主な原因は以下の通りです。

    ◎未萌出の歯

    萌出しなかった歯(通常は永久歯)が嚢胞を形成することがあります。これは、歯が正常に萌出できない場合に起こります。

    ◎外傷

    顎や歯に対する外傷が原因で嚢胞が形成されることがあります。外傷によって歯の発育が妨げられることがあります。

    ◎歯の発育異常

    歯の発育過程で異常が発生することがあります。これにより、嚢胞が形成されることがあります。

    ◎遺伝的要因
    一部の犬種では遺伝的に含歯性嚢胞のリスクが高いことがあります。特にチワワなどの小型犬種は注意が必要です。

     

    治療法

    含歯性嚢胞の治療は外科的に行います。

    嚢胞を切開し、含歯性嚢胞の原因となっている埋伏歯の抜歯を行います。

     

    歯周病

    歯周病は、歯と歯肉の間に細菌の塊である歯垢(プラーク)が蓄積し、炎症が起きる病気です。

    進行すると歯を支える骨や組織が破壊され、歯が抜けることもあります。

    歯周病は、初期の歯肉炎から徐々に進行し、適切なケアを行わないと小型犬のチワワの場合、顎の骨折を起こすこともあります。

    また、口のトラブルに留まらず、心臓病腎臓病など深刻な健康問題につながることもわかってきています。

     

    原因

    歯垢は口腔内の多様な細菌が混ざり合って形成される薄い塊です。

    歯と歯肉の間に歯垢が存在すると犬の体は炎症反応を起こします。

    歯垢は時間が経つと硬い歯石となり、歯磨きでは落としきれなくなります。

    チワワを含めたわんちゃんでは歯垢が硬い歯石に変わるまでの時間は3日〜5日と言われています。

    また、わんちゃんの中でもチワワは小さな顎を持っており、歯が密集して生えがちです。

    このため、歯と歯の間に食べ物のカスが溜まりやすく、歯垢や歯石の蓄積が進行しやすいです。

    歯並びの問題も歯周病のリスクを高めます。

     

    症状

    ◎口臭

    口臭は歯周病の初期症状としてよく見られます。

    口腔内の細菌が増殖し、悪臭を放ちます。

    ◎歯茎の腫れと出血

    歯周病が進行すると、歯茎が赤く腫れ、触れると出血することがあります。

    ◎歯の揺れと抜け

    重度の歯周病になると、歯を支える骨や組織が破壊され、歯が揺れたり抜け落ちたりすることがあります。

    ◎食欲不振

    口腔内の痛みや不快感から、食欲が低下し、体重減少の原因となることがあります。

     

    予防

    歯磨き

    歯磨きは歯周病の予防に最も効果的な方法です。

    チワワの口のサイズに合った歯ブラシと歯磨きペーストなどを使用しましょう。

    歯磨きは可能であれば毎日、少なくとも週に数回の歯磨きを行うことが推奨されます。

     

    定期歯科検診

    定期的に動物病院での口腔内チェックとクリーニングを受けることも重要です。

    専門的なクリーニングは、自宅では取り除けない歯石や歯垢を全身麻酔をかけた状態で効果的に除去します。

    また、早期に歯周病を発見し、適切な治療を受けることができます。

    当院では、半年に1回を基本としての歯科検診、1年に1回の麻酔下検査とクリーニングを推奨しています。

     

    まとめ

    チワワの口腔内トラブルは、日常的なケアと定期的な動物病院でのチェックによって予防し、早期発見・治療が可能です。

    愛犬の健康を守るために、歯磨きや適切なケアを心がけましょう。

    特に、歯周病に対する意識を高め、チワワの健やかな生活を維持していきましょう。

     

    東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。


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