2024/08/02
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。
今回は犬猫の腎盂腎炎と上部尿路感染について紹介します!
はじめに
犬や猫の健康管理において、尿路の問題は見過ごされがちですが、腎盂腎炎や上部尿路感染は非常に深刻な状態を引き起こす可能性があります。これらの疾患は、適切な診断と治療が行われないと、長期的な健康問題を引き起こす恐れがあります。この記事では、腎盂腎炎と上部尿路感染の症状、診断方法、治療法について詳しく解説し、飼い主の皆様がペットの健康管理に役立てる情報を提供します。
腎盂腎炎とは?
腎盂腎炎(じんうけんえん)は、腎臓の腎盂(じんう)に感染が発生し、炎症を引き起こす疾患です。腎盂は尿を腎臓から膀胱に送る通路であり、ここに感染が広がると、腎臓自体が炎症を起こします。腎盂腎炎は犬猫ともに発生する可能性があり、放置すると腎機能に深刻な影響を及ぼすことがあります。
主な原因
- 細菌感染:最も一般的な原因で、通常は膀胱から上行して腎臓に感染が広がります。
- 尿路の異常:尿道に結石がある場合や、尿の流れが妨げられると感染リスクが高まります。
- 免疫不全:特定の疾患や免疫系の異常によっても腎盂腎炎が引き起こされることがあります。
上部尿路感染とは?
上部尿路感染は、腎臓や尿管(腎臓から膀胱に尿を運ぶ管)に感染が発生する状態を指します。腎盂腎炎も上部尿路感染の一形態ですが、広い意味で上部尿路感染には腎盂腎炎以外の尿路感染も含まれます。
主な原因
- 細菌感染:膀胱から尿管、腎臓へと感染が広がることがあります。
- 尿路の閉塞:尿路が閉塞することで、尿が正常に流れず、感染リスクが高まります。
- 尿の逆流:膀胱から腎臓に尿が逆流することも、感染の原因になります。
主な症状
腎盂腎炎や上部尿路感染の症状は、犬猫によって異なる場合がありますが、一般的には以下のような症状が見られます。
- 頻尿:トイレに行く回数が増える。
- 血尿:尿に血が混じる。
- 尿の臭い:尿が強い臭いを放つことがある。
- 痛みや不快感:腹部や背中に痛みを示すことがある。
- 食欲不振:食事を取らなくなることがある。
- 元気消失:普段より元気がなく、ぐったりしている。
診断方法
腎盂腎炎や上部尿路感染を診断するためには、以下の方法が用いられます。
- 問診と視診:飼い主からの情報と、動物の状態を観察します。
- 尿検査:尿中の細菌や血液、尿のpHなどを調べます。
- 血液検査:腎機能や炎症の程度を把握するために血液検査を行います。
- 画像診断:X線や超音波を使って、尿路の状態や異常を確認します。
- 尿路内視鏡検査:尿路の内部を直接観察することができる場合があります。
治療法
腎盂腎炎や上部尿路感染の治療は、感染の原因や症状に応じて異なりますが、一般的には以下の方法が用いられます。
- 抗生物質:感染を引き起こしている細菌に対抗するために使用されます。抗生物質の選択は、尿検査や血液検査の結果に基づきます。
- 鎮痛剤:痛みや不快感を和らげるために使用されます。
- 点滴療法:脱水状態や電解質異常を改善するために、点滴が行われることがあります。
- 手術:尿路に結石や閉塞がある場合には、手術が必要となることがあります。
- 食事療法:腎臓に負担をかけない特別な食事が推奨されることがあります。
予防と管理
腎盂腎炎や上部尿路感染の予防には、以下のポイントに注意することが重要です。
- 定期的な健康チェック:尿路の状態や腎機能を定期的にチェックすることで、早期発見が可能です。
- 適切な水分摂取:十分な水分を摂取することで、尿路の健康を保つことができます。
- 食事管理:バランスの取れた食事を与えることで、尿路の健康をサポートします。
- 清潔な環境:トイレ環境を清潔に保ち、尿路感染のリスクを減らします。
おわりに
腎盂腎炎や上部尿路感染は、早期発見と適切な治療が鍵となる疾患です。飼い主の皆様がペットの異変に早く気づき、必要な対処をすることで、ペットの健康を守ることができます。もしペットがこれらの症状を示した場合は、すぐに獣医師に相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。ペットの健康を守るために、定期的な健康チェックと適切なケアを心がけましょう。
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