2024/07/12
猫の喘息とは何らかの原因で気管支が収縮して、咳や呼吸困難などの発作を起こす病気です。発作が重度になるとうまく呼吸ができなくなり、命を落としてしまう危険性があります。そのため、猫の喘息は早期発見・早期治療を行うことが大切です。
今回は猫の喘息について、原因や症状、治療方法などをご紹介します。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.飼い主様ができる予防法
6.まとめ
原因
猫が喘息を起こす主な原因は、アレルギーや感染症です。
猫はほこりや花粉、ノミ・ダニ、食べ物、タバコの煙、芳香剤などに対してアレルギー反応を示すことがあります。猫がアレルギーを引き起こすと気管支に炎症が起こるため、気道(空気の通り道が)が狭くなり、喘息を発症します。
その他にも、呼吸器系の感染症が原因で喘息を発症することもあります。
症状
喘息の典型的な症状として、咳や呼吸をするときにゼェゼェ、ヒューヒューと音がする(喘鳴)などが見られます。
また、開口呼吸(口を開けて短い呼吸をする)や体の酸素が足りなくなることで粘膜の色が青白くなる「チアノーゼ」を起こすこともあり、症状が重篤化すると命に関わることもあります。
診断方法
喘息の診断では、まず問診を行い、症状や病歴などから喘息を疑います。続いてX線検査や気管支鏡検査などを行い、確定診断をします。
治療方法
喘息の治療は、基本的に環境改善と薬の併用です。
まずは猫の生活環境を清潔に保つために掃除したり、ニオイや刺激になるようなものを片付けたりして、身の回りにあるアレルゲンをできるだけ取り除きます。
そして抗炎症薬やステロイド薬、気管支拡張薬を使用して、チアノーゼを起こしている場合などでは必要に応じて酸素吸入を行います。
ただし、猫の喘息は完治が難しい病気です。そのため、定期的に通院を行い、発作が出ないようコントロールしていく必要があります。
飼い主様ができる予防法
猫が喘息を引き起こさないためにもご家庭では掃除を徹底し、禁煙するなどできるだけ生活環境からアレルゲンを除去しましょう。
また、気候の変化やストレス、過度な運動は症状を悪化させる一因となります。そのため、キャットタワーを設置する、静かに過ごせる空間を作る、温度管理を徹底するなどの対策も大切です。
ただし、喘息を完全に予防することは難しいため、定期健診を行い、早期発見・早期治療を心がけましょう。
まとめ
猫の喘息は早期に発見し、適切な治療を行うことで管理可能な病気です。そのため、最低でも1年に1回(シニア期に突入したら半年に1回)定期検診を受けることが大切です。
また、日頃からよく愛猫の様子を観察し、万が一喘息が疑われる症状が見られた場合は、速やかに動物病院へ相談しましょう。
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