2024/07/01
こんにちは！世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。今回は、腎臓の病気・急性腎障害について紹介します。
1. 急性腎障害とは？
急性腎障害（AKI）は、腎機能が急速に低下する状態を指します。通常、腎臓は血液中の老廃物や余分な水分を除去し、体内の水分や電解質のバランスを調整する重要な役割を果たしています。しかし、腎臓に異常が生じるとこれらの機能が低下し、体内の毒素や余分な水分が蓄積し、重篤な状態に進展することがあります。
2. 原因
犬や猫における急性腎障害の主な原因は以下の通りです：
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毒性物質: 殺虫剤、洗剤、一部の植物（ユリ、アザミなど）、食品中の亜麻仁、チョコレート、または人間の医薬品（特に非ステロイド性抗炎症薬やアセトミノフェンなど）が含まれます。
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循環障害: 血液の供給が急激に低下することがあります。これには、心疾患、低血圧、血液の損失（外傷や手術後）、脱水、またはショック状態が含まれます。
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尿路閉塞: 尿路内の結石や腫瘍による閉塞が腎臓にダメージを与える可能性があります。
3. 症状
犬や猫の急性腎障害の症状は、個体や病因によって異なりますが、一般的な症状には以下が含まれます：
- 食欲不振: 食事を拒否することがあります。
- 嘔吐と下痢: 頻繁に吐くか下痢をすることがあります。
- 多尿または少尿: 尿量が増えるか、または減少することがあります。
- 無力感や倦怠感: 元気がなく、活動的ではない場合があります。
- 口臭: 尿や尿素の臭いが口から発せられることがあります。
- 水分の摂取増加: 常に水を求めるようになることがあります。
これらの症状が見られた場合、早期に動物病院に連れて行くことが重要です。
4. 診断
獣医師は、急性腎障害を確定するためにいくつかの診断手法を使用します：
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血液検査: 血中の尿素窒素（BUN）およびクレアチニン濃度が上昇しているかどうかを確認します。これらの物質は腎臓の機能を反映する指標です。
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尿検査: 尿中のタンパク質や血液、および尿比重の測定を行います。これにより、腎臓が尿を適切に濃縮できているかどうかを評価します。
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画像診断: 超音波やX線などの画像診断が行われることがあります。これにより、腎臓や尿路に異常があるかどうかを確認します。
5. 治療
急性腎障害の治療は、その原因や症状の重症度によって異なりますが、一般的な治療のアプローチには以下が含まれます：
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対症療法: 嘔吐や下痢のコントロール、水分および電解質のバランスの調整を行います。
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腎臓保護療法: 腎臓にダメージを与える可能性のある物質を除去し、腎臓の機能を保護するための治療が行われることがあります。
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栄養療法: 適切な栄養摂取を確保し、体力の低下を防ぐことが重要です。
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病因に応じた特定の治療: 毒性物質の排除、感染症の治療など、具体的な原因に対する治療が必要な場合があります。
6. 予防策
急性腎障害を予防するためには、以下のような予防策が考慮されます：
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毒物に対する注意: 犬や猫がアクセスできる場所から毒物を遠ざけることが重要です。洗剤や殺虫剤などの有害な物質には特に注意が必要です。
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適切な水分摂取: 常に清潔で新鮮な水を提供し、ペットが適切に水分を摂取できるようにします。
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定期的な健康チェック: 獣医師の定期的な健康診断を受けることで、早期に腎臓の異常を発見し、適切な対応をとることができます。
犬や猫の急性腎障害は、早期発見と適切な治療が重要です。初期段階での対応が命を救うことにつながるため、ペットの健康管理には注意が必要です。何か異常を感じた場合は、迅速に獣医師の診断と助言を求めるよう心がけましょう。
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