2024/06/27
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。
今回はわんちゃんねこちゃんの脾臓の腫瘍についてです。
そもそも脾臓とは…
左上腹部・胃の後ろに位置しており、①古い赤血球や細胞を取り除くフィルタリング②免疫機能のサポート③血液の貯蔵④古い赤血球から鉄を回収・再利用
などさまざまな役割を持っています。このため、脾臓に腫瘍が発生すると、全身にさまざまな症状が引き起こされる可能性があります。
脾臓腫瘍の種類
脾臓腫瘍には良性と悪性のものがあり、それぞれに特徴があります。
①良性腫瘍
脾臓の結節性過形成: 良性の腫瘍であり、通常は無症状です。
脾臓血管腫: 血管から発生する良性腫瘍であり、脾臓内での血液の異常な集積が見られる。
②悪性腫瘍
脾臓血管肉腫: 最も一般的な悪性腫瘍であり、非常に侵襲的で、しばしば他の臓器に転移します。犬で特に多く見られます。
リンパ腫: リンパ系に影響を及ぼす悪性腫瘍であり、脾臓にも発生することがあります。
その他の悪性腫瘍: 平滑筋肉腫や線維肉腫など、その他の稀な悪性腫瘍も存在します。
症状
脾臓腫瘍の症状は、腫瘍の種類、サイズ、進行度によって異なりますが、一般的には以下のような症状が見られます。
腹部膨満: 腫瘍の成長に伴い、腹部が膨らむことがあります。
食欲不振: 食欲が減退し、体重が減少することがあります。
元気消失: 活動性が低下し、元気がなくなることがあります。
貧血: 特に血管肉腫の場合、腫瘍が破裂し内部出血を引き起こすことで、急性の貧血が生じることがあります。
虚脱・ショック: 重度の出血が起こると、虚脱やショック状態に陥ることがあります。
診断
脾臓腫瘍の診断には、以下の方法が用いられます。
①身体検査
獣医師による詳細な身体検査が最初のステップです。触診により、腹部の異常な膨満や硬い塊が確認されることがあります。
②画像診断
超音波検査: 脾臓の構造や腫瘍の存在を確認するために用いられます。超音波検査は非侵襲的で、腫瘍の大きさや位置を評価するのに有効です。
X線検査: 腹部の全体像を把握するために行われますが、脾臓腫瘍の詳細な評価には限界があります。
CTスキャンやMRI: より詳細な画像が必要な場合、CTスキャンやMRIが利用されることがあります。これにより、腫瘍の正確な位置や周囲の組織との関係を明確にすることができます。
③血液検査
血液検査は、貧血の有無や血液凝固機能の評価、その他の全身状態を確認するために行われます。特に悪性腫瘍の場合、異常な血液成分が検出されることがあります。
④生検
確定診断のためには、腫瘍組織の一部を採取して顕微鏡で観察する生検が必要です。これは、腫瘍の種類や悪性度を判断するための重要な手段です。
治療法
脾臓腫瘍の治療には、主に外科的なアプローチと補助的な治療法があります。
①外科的治療
脾臓摘出術(脾摘): 腫瘍を完全に取り除くための主要な治療法です。脾臓を摘出することで、腫瘍の増殖を防ぎ、症状を軽減することができます。脾摘術は一般的に安全な手術ですが、術後の感染リスクや他の臓器への転移の可能性には注意が必要です。
②補助療法
化学療法: 特に悪性腫瘍の場合、脾摘術後の再発予防や転移の抑制のために化学療法が行われることがあります。化学療法の効果は腫瘍の種類や進行度によりますが、予後を改善する可能性があります。
放射線療法: 一部の腫瘍では、放射線療法が補助的に用いられることがあります。
予後
脾臓腫瘍の予後は、腫瘍の種類、発見時の進行度、治療の成功率によって大きく異なります。
良性腫瘍: 早期に発見され、適切に治療されれば、予後は良好です。
悪性腫瘍: 特に血管肉腫は予後が厳しく、早期発見と積極的な治療が求められます。化学療法や放射線療法を併用することで、寿命を延ばすことができる場合もありますが、完全な治癒は難しいことが多いです。
脾臓腫瘍は、重大な影響を与える可能性があり、早期の診断と適切な治療が重要です。定期的な健康診断でわんちゃんねこちゃんの健康を守りましょう!
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