2024/06/18
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。
今回は慢性膵炎についてお話いたします。
1. 慢性膵炎とは
慢性膵炎は、膵臓の長期的な炎症状態を指し、犬や猫においても見られる病気です。膵臓は消化酵素の分泌と血糖値を調整するホルモンの生成という重要な役割を果たしており、その機能が損なわれると様々な健康問題が生じます。
2. 膵臓の役割
膵臓の主な機能には、消化酵素の分泌とホルモンの生成があります。
消化酵素の分泌
膵臓は、食物の消化を助ける酵素(アミラーゼ、リパーゼ、トリプシンなど)を分泌し、これらの酵素が腸に送られて食物を小さな分子に分解します。
ホルモンの生成
膵臓はインスリンとグルカゴンといったホルモンを生成し、これらは血糖値の調節に重要な役割を果たします。インスリンは血糖値を下げ、グルカゴンは血糖値を上げます。
3. 慢性膵炎の原因
犬や猫の慢性膵炎の原因は多岐にわたりますが、以下のような要因が考えられます。
食事
高脂肪の食事が膵炎を引き起こすことがあります。特に犬では、脂肪分の多い食事が膵臓に負担をかけることが知られています。
遺伝的要因
一部の犬種(例:ミニチュア・シュナウザー、シェットランド・シープドッグ)は膵炎のリスクが高いとされています。猫の場合も、特定の遺伝的要因が関与する可能性があります。
感染症
ウイルスや細菌による感染が膵炎を引き起こすことがあります。
その他の要因
自己免疫疾患や他の慢性的な健康問題(糖尿病など)が膵炎を引き起こすことがあります。
4. 症状
犬や猫の慢性膵炎の症状は多岐にわたり、軽度から重度まで様々です。症状は一時的に悪化することもあります。
一般的な症状
– 食欲不振
– 体重減少
– 嘔吐
– 下痢
– 腹痛
– 脱水症状
行動の変化
– 元気がなくなる
– 活動量の低下
– 鳴き声の変化や攻撃性の増加
重度の症状
– ショック
– 黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなる)
– 糖尿病の発症
5. 診断
慢性膵炎の診断は難しいことがありますが、以下の方法で行われます。
病歴の確認、身体検査、血液検査、画像診断、生検等で確認されます。
6. 治療
慢性膵炎の治療は、症状の緩和と膵臓の負担を軽減することを目的としています。
食事療法
低脂肪の食事を与えることで、膵臓の負担を軽減します。消化の良い特別食が推奨されることが多いです。
薬物療法
– 鎮痛薬:痛みを和らげるための薬。
– 制吐薬:吐き気を抑えるための薬。
– 抗生物質:感染症の予防または治療のための薬。
補液療法
脱水を防ぐために点滴や皮下注射で水分を補給します。
酵素補充療法
膵臓の機能が低下している場合、外部から消化酵素を補充することがあります。
7. 管理と予防
慢性膵炎は完治が難しい病気ですが、適切な管理を行うことでペットの生活の質を大幅に改善することができます。
定期的な診察
定期的に診察に行き、病状の進行をチェックします。
適切な食事管理
獣医師の指示に従い、適切な食事を提供します。特に高脂肪の食事を避けることが重要です。
ストレスの軽減
ストレスが膵炎を悪化させることがあるため、ペットの生活環境を整えることが重要です。
適切な運動
適度な運動を通じて、健康を維持し、肥満を防ぎます。
8. まとめ
慢性膵炎は犬や猫にとって深刻な健康問題ですが、早期発見と適切な治療・管理を行うことで、ペットの生活の質を向上させることが可能です。ペットが慢性膵炎の症状を示した場合は、速やかに獣医師に相談し、適切な対応をとることが重要です。
以上の内容を理解し、適切なケアを行うことで、愛犬や愛猫の健康を守り、長く元気でいてもらうことができます。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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