けいこくの森動物病院
TEL 03-3704-1014

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〒158-0082 東京都世田谷区等々力1-34-18

けいこくの森動物病院

蛋白喪失性腸症について

こんにちは!

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。

今回は蛋白喪失性腸症についてお話いたします。

蛋白喪失性腸症は、消化管から過剰にタンパク質が失われる病気です。

通常、腸の粘膜はタンパク質が漏れ出すのを防ぎますが、何らかの理由でこの機能が障害されると、タンパク質が漏れ出し、低タンパク血症(血液中のタンパク質が低下する状態)を引き起こします。

この状態はわんちゃんやねこちゃんにも見られ、特に治療が遅れると重篤な症状を引き起こすことがあります。

 

 原因

蛋白喪失性腸症の原因はさまざまで、大きく分けて以下のようなものがあります。

1. 炎症性腸疾患(IBD

   腸の慢性的な炎症が原因で、腸の粘膜が損傷し、タンパク質が漏れやすくなります。

   

2. リンパ管拡張症

   腸のリンパ管が拡張し、リンパ液が腸に漏れ出すことにより、タンパク質が失われます。

   

3. 腫瘍

   腸にできた腫瘍が原因で、粘膜の機能が障害され、タンパク質が漏れ出します。

   

4. 寄生虫感染

   特定の寄生虫(例:鉤虫、鞭虫)が腸内に寄生することで、粘膜が損傷され、タンパク質が漏れやすくなります。

 

症状

蛋白喪失性腸症の症状は、原因や進行度によって異なりますが、一般的には以下のような症状が見られます。

体重減少

  食欲は正常でも体重が減少することがあります。

  

腹水

  低タンパク血症により、体液が腹腔内に溜まり、腹部が膨れることがあります。

  

浮腫

  四肢や顔に浮腫(むくみ)が見られることがあります。

  

下痢

  特に慢性的な下痢が続くことがあります。

  

嘔吐

  時には嘔吐を伴うことがあります。

  

倦怠感

  元気がなくなり、活動量が減少します。

 

診断

蛋白喪失性腸症の診断には、以下のような検査が行われます。

1. 血液検査

   低アルブミン血症(アルブミンが低下)や低グロブリン血症(グロブリンが低下)が見られます。

   

2. 糞便検査

   寄生虫感染の有無を確認します。

   

3. 腹部超音波検査

   腸の状態や腹水の有無を確認します。

   

4. 内視鏡検査

   内視鏡を用いて腸の内側を観察し、組織のサンプルを採取します。

   

5. 生検

   腸の組織を採取し、顕微鏡で詳細な検査を行います。

治療

蛋白喪失性腸症の治療は、原因に応じて異なりますが、一般的な治療法は以下の通りです:

1. 食事療法

   低脂肪、高タンパク質の食事を与えることが推奨されます。特にリンパ管拡張症の場合、低脂肪食が重要です。

   

2. 薬物療法

   抗炎症薬や免疫抑制剤が用いられることがあります。炎症性腸疾患の場合、ステロイドが有効です。

   

3. 寄生虫駆除

   寄生虫が原因の場合、適切な駆除薬を使用します。

   

4. 外科手術

   腫瘍が原因の場合、外科手術で腫瘍を取り除くことが必要です。

 予後

蛋白喪失性腸症の予後は、原因や治療の早期介入によって大きく異なります。

早期に適切な治療が行われれば、症状の改善が期待できますが、進行した場合や治療が遅れた場合には、重篤な状態になることがあります。

継続的な治療と定期的な検査が必要です。

まとめ  

蛋白漏出性腸症は、わんちゃんやねこちゃんにおいても見られる深刻な病気です。

早期の発見と適切な治療が鍵となります。

飼い主としては、ペットの体重減少や下痢、嘔吐などの症状に気づいたら、早めに獣医師に相談することが重要です。

適切な診断と治療を行うことで、ペットの健康を守ることができます。

 

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。


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