2024/06/09
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です!
今回はわんちゃんねこちゃんの肺水腫についてです。
肺水腫とは、肺に過剰な液体が蓄積する状態を指し、呼吸困難を引き起こす病気で、わんちゃん、ねこちゃんの両方に発生する可能性があります。
肺水腫の原因
肺水腫の原因は多岐にわたりますが、主に…
1. 心原性肺水腫
心不全が原因で心臓のポンプ機能が低下し、血液が肺に逆流して液体が漏れ出すことがあります。特に高齢のわんちゃんねこちゃんや特定の心疾患を持つ子に多く見られます。
2. 非心原性肺水腫
非心原性肺水腫は、心臓以外の原因で肺に液体が溜まる状態です。具体的な原因としては、以下のものがあります。
– 中毒: 特定の毒物による肺の損傷
– 感染症: 細菌、ウイルス、または真菌による感染が肺を侵し、炎症とともに液体が蓄積する
– 外傷: 肺や胸郭の外傷による損傷
– その他: 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)や高度なアレルギー反応など
症状
肺水腫の症状は、軽度から重度まで幅広く、迅速な対応が求められます。代表的な症状には以下のものがあります。
– 呼吸困難: 息を吸うことが困難になり、呼吸が浅く速くなる。
– 咳: 特に夜間や運動後に咳が悪化する。
– チアノーゼ: 唇や舌が青紫色になる。
– 運動不耐症: 以前は問題なかった運動が困難になる。
– 倦怠感: 全体的な活動性の低下。
診断方法
肺水腫の診断には以下のような具体的な検査が行われます。
1. X線検査: 胸部X線は、肺に液体が溜まっていないか確認します
2. 超音波検査: 心エコーを使って心臓の状態を評価し、心原性肺水腫かどうかを判断します。
3. 血液検査: 全身状態を評価するための血液検査を行います。
4. 心電図(ECG): 心臓の電気活動をモニターし、不整脈などの異常を検出します。
治療法
肺水腫の治療は、原因によって異なりますが以下の方法があります。
1. 酸素療法: 呼吸困難を軽減するために酸素を供給します。
2. 利尿剤: 体内の余分な液体を排出するために使用されます。
3. 血管拡張薬: 血管を拡張させ、心臓の負担を軽減します。
4. 鎮静剤: 動物がストレスを感じると呼吸困難が悪化するため、軽い鎮静を行うことがあります。
5. 原疾患の治療: 心不全や感染症など、根本原因に対する治療が行われます。
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