2024/05/23
こんにちは。世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です!
今回は、わんちゃん、ねこちゃんによく見られる腫瘍の一つである、肥満細胞腫について詳しく説明します。
●肥満細胞腫とは?
肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ)は、犬や猫の皮膚や内臓に発生する腫瘍の一種です。肥満細胞は、アレルギー反応や免疫反応に関与する細胞で、通常は体内に少量しか存在しません。しかし、肥満細胞腫ではこれらの細胞が異常に増殖し、腫瘍を形成します。
~犬の肥満細胞腫~
### 発生頻度とリスク要因
犬の肥満細胞腫は非常に一般的な皮膚腫瘍で、全皮膚腫瘍の約20%を占めると言われています。特定の犬種にはリスクが高い傾向があり、例えば以下の犬種が挙げられます:
– ボクサー
– ゴールデン・レトリーバー
– ブルドッグ
– ラブラドール・レトリーバー
– シャーペイ
また、年齢や性別も影響し、中高年齢の犬で多く見られます。
### 症状
肥満細胞腫の症状は多岐にわたりますが、一般的には以下のような症状が見られます:
– 皮膚のしこりや腫れ
– かゆみや赤み
– 痛みや潰瘍
– 消化器症状(嘔吐、下痢)
腫瘍が大きくなると、周囲の組織に浸潤し、さらに広がることがあります。早期発見が治療の鍵となります。
### 診断
肥満細胞腫の診断には、以下の方法が用いられます:
– 細胞診:細い針を使用して腫瘍から細胞を採取し、顕微鏡で観察します。
– 生検:腫瘍の一部を切除し、病理検査を行います。
– 画像診断:X線や超音波検査を用いて腫瘍の広がりを確認します。
### 治療
治療方法は腫瘍の位置、大きさ、進行度によって異なりますが、以下の方法が一般的です:
– 手術:腫瘍の完全切除が最も効果的な治療法です。再発を防ぐため、広範囲に切除することが推奨されます。
– 放射線療法:手術後に残った腫瘍細胞を破壊するために用いられます。
– 化学療法:進行した場合や転移がある場合に用いられることがあります。
### 予後
予後は腫瘍のグレード(悪性度)によって異なります。低グレードの腫瘍は治療後の生存率が高い一方、高グレードの腫瘍は再発や転移のリスクが高くなります。
~猫の肥満細胞腫~
### 発生頻度とリスク要因
猫の肥満細胞腫は犬に比べると発生頻度は低いですが、依然として重要な疾患です。猫の肥満細胞腫は皮膚型と内臓型に分けられます。
– 皮膚型:猫の皮膚腫瘍の中では比較的一般的です。
– 内臓型:主に脾臓や肝臓に発生します。
リスク要因としては、特定の猫種や年齢は明確に示されていないものの、高齢の猫に多く見られる傾向があります。
### 症状
猫の肥満細胞腫の症状は以下の通りです:
– 皮膚型:皮膚に小さなしこりや腫れが見られます。しばしばかゆみや痛みを伴います。
– 内臓型:腹部の膨満、体重減少、食欲不振、嘔吐などが見られます。
### 診断
犬と同様に、細胞診や生検が主な診断方法です。また、内臓型の場合は、超音波検査やCTスキャンが必要となります。
### 治療
治療法も犬の場合と似ていますが、猫の場合は腫瘍の部位や進行度によって異なります:
– 手術:皮膚型の場合は手術が主な治療法です。内臓型の場合は脾臓や肝臓の切除が行われることがあります。
– 化学療法:内臓型の肥満細胞腫には化学療法が有効な場合があります。
### 予後
猫の肥満細胞腫の予後は犬よりも比較的良好な場合が多いです。皮膚型は手術で完全に治癒することが多く、内臓型でも早期発見と治療が鍵となります。
## 予防と早期発見の重要性
肥満細胞腫の予防は難しいですが、早期発見が治療の成功率を高めるために非常に重要です。定期的な健康チェックを行い、皮膚の異常や健康状態の変化に注意を払うことが大切です。また、気になる症状が見られた場合は、早めに動物病院に相談することをお勧めします。
## まとめ
犬猫の肥満細胞腫は、皮膚や内臓に発生する腫瘍であり、早期発見と適切な治療が重要です。もし、愛犬や愛猫に気になる症状が見られた場合は、ぜひ当院にご相談ください。私たちは皆様の大切なペットの健康を全力でサポートします。
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